額縁の形状

額縁には様々なデザインがあります。当店では、規格ものからオーダーまで1000種類以上の額のサンプルを取り揃えています。額に納めるものと、お客様のお好みでじっくりご相談の上、最適なものをお選びいただけます。

いろいろあって迷いそうですが、ご参考までに、フレーマー向けのテキスト「フレーマーテキスト改訂版 額縁」(監修/全国額縁組合連合会フレーマー編集委員会 2008年)による種類分けをご紹介します。この本では、縁(モールディング)の断面形状を2通りに大別しています。ひとつは縁の傾斜の方向で分ける名称。もうひとつは、面加工の伝統的な呼称による分類です。



1)断面の傾斜方向による分類


縁の形状の中で、対象物に対する傾斜の方向は大きな役割を果たします。それは鑑賞者の視点をどのような方向に持っていくかを大きく左右するからです。
例えば、中世から近世にかけての肖像画の額縁には、ほとんどの場合、威厳を持たせるために外側を高くして周囲の空間と大きく区切りをつけ、視点を徐々に中心へ向けるように低くなっていく形状が好まれました。

(1)
平(ひら)型
フラットタイプ
Flat Type

鑑賞者に対して面が平行になる額縁の最も基本的な形状。

(2)
正方形型
スクエアタイプ
Square Type

額の厚みと鑑賞者から見える縁の幅が同じ長さをもつ縁。

(3)
内流れ型
スロープタイプ
Slope Type

洋額縁の最も一般的な形状。最も高い部分が外端の上にある縁。

(4)
外流れ型
リバーススロープタイプ
Reverse Slope Type

最も高い部分が対象物に近い部分にある縁。

(5)
中高(なかだか)型
コンベックスタイプ
Convex Type

最も高い部分が縁の中央部分に位置する縁。

(6)
溝型
コンカーヴタイプ
Concave Type

最も低い部分が縁の中央に位置する縁。

(7)
傾斜型
ベベルタイプ
Bevel Type

対象物に向かって低くなっている縁。

(8)
逆傾斜型
リバースベベルタイプ
Reverse Bevel Type

対象物から外側に向かって低くなっている縁。


2)面加工の呼称による分類


部材の角を加飾などの目的のために削り出すことを「面(めん)を付ける」と言います。 主にこれらの呼称は、鉋(かんな)などの削り道具と同じ呼称が使われます。

(1)
平面、前平面、フラット面

(2)
角面、面取り(45度)

(3)
丸面、前平丸面

(4)
前総丸面、坊主面

(5)
前丸面、R面

(6)
スプーン面

(7)
三角面

(8a)
ひょうたん面

(8b)
ひょうたん面

(9)
ぎんなん面

(10)
角ぎんなん面

(11)
きちょう面、階段面

(12)
紐面、ふくりん面

(13)
溝面、両紐面

(14)
木爪面

(15a)
蛇腹面、筋面

(15b)
蛇腹面、筋面